BCPとは。事業継続計画の意味や策定の目的をわかりやすく解説

BCPとは。事業継続計画の意味や策定の目的をわかりやすく解説 わかりやすいDX用語辞典

BCPとは

BCPは「事業継続計画」の略称である

BCPは「事業継続計画」のことであり、緊急事態に直面した際に事業を継続させるための計画を意味します。

ここでいう緊急事態とは、様々な事象が想定されます。自然災害、事故、テロなど外部からの影響。またはシステム障害、商品の欠陥、人為ミスなど内部からの影響も考えられます。

そして、2020年初頭から世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスの脅威。これも災害と言えるのではないでしょうか。多くの人々が深刻な影響を受けており、一刻も早い終息を願うばかりです。

 

事業を続ける際に直面する危機はいつ何時発生するかは誰にもわかりません。だからこそ、備えとなる「事業継続計画」が必要になるのです!

 

BCPは英語表記「Business Continuity Planning」の頭文字

「事業継続計画」と同じ意味をもつビジネス用語として「ビジネスコンティニュイティ」という言葉があります。この言葉を英語で書くとBusiness Continuity Planning」となり、頭文字を取り「BCP」になるわけです。

 

BCPとは。事業継続計画の意味や策定の目的をわかりやすく解説_01

 

内閣府も「事業継続ガイドライン」を提唱している

内閣府の防災情報のページに「事業継続ガイドライン」が掲示されています。

平成17年には前進となる「事業継続計画の文書校正モデル例」が発行されました。その後、平成19年には第一版となる「事業継続ガイドライン」が発行され、令和3年4月に最新版が更新されています。

策定事例なども参照することができますので、ぜひご一読をおすすめいたします。

 

 

BCPの注意点

完璧主義に陥らない

いざBCPを策定する際に頭に置いておきたいのは、完璧主義に陥らないことです。

想定外の事態に備えるためのものですが「想定外」を想定して対策を練るものなので、あれやこれやと考え込んでしまって時間だけが過ぎてしまったり、もし万が一の想定しきれなかった事態を考えるのは、ある意味で不毛かもしれません(^◇^;)

(なんだか落語にありそうな話ですね…)

 

システムを過信しすぎない

また、システムを過信しすぎないことも重要な視点かもしれません。

例えば、クラウドサービスに重要なデータを保管した!としても、そのサーバーがあるデータセンターで事故が起こり、せっかくクラウド保管していたものが物的に破損してしまうことも考えられます。

実際に、2021年3月にはフランスで大規模データセンターで火災が発生し多くの顧客が甚大な被害を受けてしまいました…。

 

 

最新のシステムを利用したから大丈夫!ではなく、きちんとバックアップを別の場所で保管するなど、ひとつに頼りすぎるのではなく、リスクの分散をしておきましょう。

 

従業員への周知を忘れない

BCPは策定して終わりではありません。

きちんと事業全体の従業員にも周知しておくことが重要です。

上層部や担当者だけが把握していたとしても、もし何かが起こった時にその場にきちんと理解している人が現場にいないとその通りに動くことが出来ませんよね。

 

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BCPの目的とは

BCP策定は目的ではなく事業継続のための手段

BCPは事業を続けるために備えておくものです。

BCPは策定して終わり!ではなく、成長し続ける事業に応じて適切に改善を重ねていくことが重要になります。

言い換えれば、BCP策定は目的ではなく事業継続のための手段とも言えますね。

 

BCP策定の基本的な手順

事業の基本方針を確認

まずは策定の方向性がブレないように、大前提となる基本方針を確認しましょう。

その事業は何のためにあるのか。その事業のクレドは何か。事業が守るべきもの、果たすべき社会的責任など、事業を継続するために譲れないものを改めて確認しましょう。

 

事業の業務内容を確認

基本方針を確認したら、より具体的に事業の業務内容を把握することが必要です。

もし万が一の災害時など、「最優先すべき事業」と「一旦休止すべき事業」が出てくるかと思います。業務の優先順位を予め確認しておくことが重要です。

また、「最優先すべき事業」を守るための仕入れや取引先との連絡手段なども事前に明確にしておくと安心ですね。現場の人が動きやすいように備えておきましょう。

 

事業を脅かすリスクを確認

リスクの対策を考えるには、リスクを知っておかなければいけません。

戦略を立てる際には「敵を知ることから」ですもんね。

大切な事業の継続を脅かすものや事象は何か。ココが崩れると事業の流れが崩れる「要」はどこにあるのか。事業を守るために、どのような敵がどのように襲い掛かってくるかの想定、リスクを洗い出しましょう。

 

リスク対策・対応方法を確認

基本方針、業務内容、リスクを洗い出したら、それらに対応する方法や仕組み、社内ルールを策定します。それが事業継続計画になります。

責任者は誰か。現場で動くのは誰か。連絡は誰が誰に。実行のための予算やリソースの確保は。それぞれ想定されるリスクに対して対応策を明確にしておきましょう。

困った時に困らないようにするために必要なものです。

 

また、足りないものは何かに気付くことで、リスク対策のための設備を整えることもできますね。そのために活用できる補助金や助成金もあったりするので、早めに動き出しましょう!

 

当協会の名称「一般社団法人DXビジネスコンティニュー推進協会」に込めたBCPへの想い

 

当協会の名称は「一般社団法人DXビジネスコンティニュー推進協会」です。

この名前は、組織立ち上げの際に「みなさんがお仕事を続けられるお手伝いをしたい!」という気持ちから決めました。

僕自身も独立してコンサルタントとして10年以上やってきました。おかげさまで今もこうして事業を続けることが出来ていますが、決して僕一人の力ではここまでやってこれませんでした。

 

これからの未来、お仕事を末永く続けていくことを考えた時。「DX」「事業継続」が重要なキーワードになると考えました。

みなさんが大切なお仕事を継続させるための情報提供を惜しみません。実は気付いていないだけで、使える制度や仕組みが世の中にはたくさん用意されています。

 

DXとは。デジタルトランスフォーメーションの意味を丁寧に解説
「DX」とは「デジタルトランスフォーメーション」の省略表記です。「Digital Transformation」から、「X-formation」を元に、頭文字をとって「DX」と表記されます。用語の意味や関連用語、事例をわかりやすく身近な例を交えて解説します。

 

もし、この記事を読んで「BCPが重要であることはわかったけれど、いざ自分たちで考えるとイマイチよく分からない」ということがありましたら、当協会へどうぞお気軽にご相談くださいませ。

そんな想いがこの名称に込められています。

 

新法人設立のお知らせ
「一般社団法人DXビジネスコンティニュー推進協会」設立のお知らせです。2021年6月1日、田中稔、田口哲也、大井隆広は、「一般社団法人DXビジネスコンティニュー推進協会」を設立しました。皆さまの役に立つ助成金や補助金の申請補助業務などを主として活動いたします。

 

あとがき

ビジネス用語「BCP」「事業継続計画」についてわかりやすく解説いたしました。

大企業さんはもちろん、中小企業さん、個人店さんも備えあれば憂いなし!です。今一度、BCPについて確認してみてはいかがでしょうか。

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